「XBOX GAME Fable 先行レポート その1」
初めて人を殴ったワラキア
最初に見たワラキアは、活発な幼い少年だった。
ワラキアは最初から、走る事と、転がる事と、人を殴る事ができた。
物心つくまで、ワラキアに一体何があったのだろう。
ワラキアを家の外に出して、ワラキアの世界を見回した。
人がゆったりと歩き、話し声が聞こえる。
クラシックな街の雰囲気は、私好みだ。
ワラキアは視点を遠近と使い分ける事ができたので、私は街を広く見回すことができる。
これが出来なければ、私はワラキアを道端に捨てて、永遠にさようならしている所だっただろう。
まだこの世界の事が何もわからない私は、姉のプレゼントを購入する為のお小遣いを得る為に、ワラキアを走らせた。
私はいつだって地図を見ることができる。
ボタンを押すと拡大されて、大事な所はマークがでたり、別マップへの道にはは親切に日本語でガイドが書いてあったりする。
だから、私はワラキアを迷子にさせずに、世界を走りまわす事ができる。
この地図がなければ、私はワラキアをどこかの畑に捨てて、永遠にさようならしている所だっただろう。
畑のカカシと遊んでいる姉を発見した。
ワラキアに話させると、彼女は当然のようにプレゼントを要求してくる。
サプライズを考えていた私は、正直ガッカリしたが、ワラキアが去年プレゼントを忘れたのが悪いのだ。
仕方なく、ちょっとした私の落ち込みをワラキアの拳に込めて表現していたら、姉に当たった。
姉を殴ってしまった。
初めて人を殴ってしまった。
「殴ったね、パパにも殴られたことがないのにィ!!。」(嘘)
そんな言葉を言われて、怯む私と逃げ去るワラキア。
早々と場を離れて、機嫌直しに、プレゼント確保に勤しもうとする矢先、棒切れを持った人がワラキアを止める。
「犯罪を犯したな。貴様が成人だったら牢屋にぶち込んでいた所だ。覚えとけ!」
どこで見ていたかは知らないが、その形相は鬼の様で、恐ろしい。
この世界では、例え故意では無くとも、悪い事をすると厳罰が下るようだ。
ワラキアには、すこし辛い思いをさせてしまった。
姉を殴った事を知っていたのは、棒を持った人だけでなく、田舎ならではの繋がりで、既に街中の人間が知っている。
ワラキアが話しかけると愛想を振ってくれる人も、横を通り過ぎると、陰口を叩いている。
特にサラウンド環境を整えていると、ちゃんと後ろから聞こえるように、陰口を叩いてくれる。
人ごみの中を通り過ぎると、誰が言ったか解らないように、四方八方から、陰口を叩いてくれる。
子供には、聞こえないように陰口を叩くものではないか。大人気ない。
「あの子は、善悪の区別もできないのよ。」
こんなに効く嫌味を言われたのは、ゲームでは何度めだったろう。
「シュートの後のガッツポーツでも考えたんじゃないですか?」と言われたことや、
「うさちゃんは、何一つまともにできません」と言われたこと以来ではないだろうか。
ワラキアは一つ大人になった。
私も一つ勉強になった。
この世界は、そんなに悪人に優しくない。
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