「オーディオ 音質と音場感」
□音の良し悪しについて
音の良し悪しというのは、個人の好みという要素を吟味すると、なかなか一言で表現できるものではないのですが、それを構成する二つの要素として、「音質」と「音場感」が上げれます。
音質というのは、文字通り音の質をさしており、これはどれだけ現実の音に近い音を再現できるかという所で決まっています。
生の声、生の楽器に近い音を、そこなわない音が、高音質と言えるでしょう。
音場感というのは、臨場感や、空気感をさしており、これはどれだけ音の再生空間に没頭できるかという所できまっています。
ライブ会場や、映画館のような、空間の中にどれだけ入り込めるかで、音場の良さが定まってきます。
オーディオ機器は、ずっとこの二つを再現する為に、努力を続けており、リスナーはこの二つを追求する事が、良い音を追求する事に繋がっていきます。
□音質について
音質は、現実の音をどれだけ忠実に再現するかどうかで決まってきます。
それを行う為には、どれだけ記録されている音声信号を正しく拾い上げ、忠実に伝送し、安定させて増幅し、鳴らしきるという事が必要になります。
つまり、良いプレイヤーを使い、良いケーブルでつなぎ、良いアンプで増幅し、良いスピーカーを使う必要があります。
この工程のどれか1つに低品質のものをつかうと、それ以降はそのクオリティーに下がってしまいます。
また、何を持って忠実という事をいうと、それは記録されている高音が4あったら4、中音が5あったら5をスピーカーで発生するという事でしょう。
この状態を、周波数がフラットに出るといい、理想的な音質とされています。
最近は低音が効いているから良い音だとか、そんな判断をする方が多いですが、本来のバランスからすると誤っています。
更に言えば、このケースの低音というのは、大抵の場合は中低音を指している事が殆どで、本来の低音ではありません。
良質の低音というのは、人間の耳には聞こえず、音の再生空間の隠れたスパイスのように、体感を広げてくれる音を指します。
ミニコンポや簡易シアターセットから出る音は、その性能故、忠実な音や良質な低音を再現する事は不可能で、基本的にそれらしく加工した音を出しています。
つまり、音が良いミニコンポというのは、ほとんど存在しないというのが実際です。
最近のミニコンの加工の傾向としては、高音を固めにし、中音をクッキリさせ、中低音を増幅する音作りが目立ちます。
店頭などで派手に聞こえる為、一聞すると良い音と取られる事が多いですが、これはドンシャリといわれるオーディオとしては非常に悪い音にあたり、非常に聞き疲れします。
実際は高音が固くもどこかまろやかで、中音はすっきりまとめ、中低音を変に増やさず、低音を伸ばすという、多少大人しめの音の方が、聞き疲れが無く、家庭でのリスニングに向いています。
ラジオやテレビのような音が低音質で、自然で機器疲れがしない音が、高音質な音といって、良いと思います。
□音場感について
オーディオは音場感の追求の歴史と言っても良いでしょう。
最も理想の音場は、コンサートホールや、普段生活している場所そのもの。
ホールの反響や、色々な場所から聞こえてくる音。飛行機の音から、街のざわめき。
そういった、その世界その世界に入り込めるような現実感を、どれだけ再現できるかが音場感の良し悪しといえるでしょう。
古くのオーディオは、1つのスピーカーから発生するモノラル音声から始まり、それから二つのスピーカーを用いて、音の定位感を出すステレオ再生になりました。
そして、DVDの登場により、それまで試行錯誤されていたマルチチャンネルに1つの回答が生まれ、それがスピーカー5本とウーハーを用いた5.1Chとなっています。
音場感の再生という点において、スピーカーの数が多いから、臨場感が増えるという訳ではありません。
ただ、スピーカーの数が多い方が、その音場空間を作りやすいとは言えます。
例えば個室で歌手が一人で歌って、その近くでその歌を聞き、その音を歌手の側のマイクで収録する。
それを同じ個室で、1つのスピーカーを歌手の位置に置いて、先ほどと同じ位置で、収録した音を聞く。
そうすると、1つのスピーカーでも、現実と全く同等の再生空間を作り出すことができます。
それは、直線的に届く直接音と、壁から跳ね返る反響音のバランスが、同じ部屋の為に同等である事から、理屈上そのように言えます。
ではなぜ、ステレオやマルチチャンネルに、移行していったかというと、収録と同じ環境を、一般の家庭に再現する事は不可能だからです。
一般の家庭は、それぞれ環境が違う為に、直接音と環境音のバランスも違い、同じ音を流しても聞こえ方が全く違ってくる為に、ある程度の妥協点を探る必要があります。
その中で臨場感を味わえるスピーカーのバランスが、ステレオであり、マルチチャンネルという事になります。
ステレオ用として、製作された音と、マルチチャンネルとして製作された音は、その直接音と反響音に対して違いがあります。
ステレオ用の音の中には、反響音があまり入っておらず、反響音は壁に依存させる形を取っています。
そして、マルチチャンネル用の音の中には、後ろのスピーカーから反響音を出す為の音がつまっていて、反響音を直接音として聞かせる形を取っています。
様々な環境の中で、音場感の再現の容易さという面で、スピーカーの数が有利に働くのはこの為です。
また、ステレオの音はステレオ再生で、マルチチャンネルの音はマルチチャンネルで聞いた方がバランスが良いというのも、この為です。
これは、主に音楽再生においての、音場感ですが、映画やゲームにおいてのマルチチャンネルは、又少し傾向が違います。
反響音ではなく、後ろから聞こえる直接音を出すために、マルチチャンネルが使われています。
最近では耳の構造を利用して、ステレオシステムで、マルチチャンネルの臨場感を再現する各種バーチャルサラウンドも出ており、より気軽に音場感を楽しむ事ができます。
この音場感の再現を追求すると、スピーカーの位置調整や部屋の振動原因の除去など、様々な事が必要になります。
最近のAVアンプ(マルチチャンネル用アンプ)には、自動音場調整機能という、非常に便利な機能がついている機種があり、これを使うと使わないでは、音場感に恐ろしい程の差が出てきます。





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