「XBOX GAME マズルフラッシュ LIVE英雄譚」
「敵は気づいてない。」
見晴らしの良い広大な砂漠。
二つ向かい合った崖上の基地から、遠距離の撃ち合い。
もう3分間、無得点の膠着状態が続いている。
接近戦は無い。
敵はきっとそう思っている。
だから近づいた。
死角となる崖から飛び降り、敵の視界が届かない場所を通って。
最短ルートだと30秒。迂回ルートは2分。
失敗したら、全てが無駄になる。
「敵は気づいてない。」
たった一人の独断での奇襲作戦。
奇襲に気づかれたら、数人がかりで蜂の巣にされ、チームは途端に劣勢となる。
得点が不利になったチームは、突撃を余儀なくされてしまうからだ。
突撃開始のポイントへ到着。
死角になる崖に身をすり寄せて身を屈める。
そして、心の中でこうつぶやく。
「敵は気づいていない。
スナイパーはいつだって、遠くの奴しか見ていないんだ。今だって、小さい照準に掛かりっきりで、向こう岸の人数なんて数えちゃいない。だから・・・この奇襲はきっと成功する。」
GPSで敵基地の配置を確認した後で、誤射を防ぐ為に、短い連絡で味方に突撃の旨を伝える。
「突撃します。」
向こう見ずに坂道を駆け上がり、敵基地へ。
戦果はまずまず。二人をゲットした後に守備隊に囲まれ敗北。
それでも動揺は与えた。
敵は特攻作戦に切り替え、こちらは冷静に防御に徹するだけでよかった。
相手の裏を斯く時、斯こうと画策する時。
それを成功させた時、相手が上手だった時。
そのギリギリの攻防こそが、このゲームの醍醐味だって思う。





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