仕事帰りの夜の街で、花を見つけました。
それは、緑掛った花びらに、黒い雌しべを持った花で、私が今まで見たことの無いものでした。

少しばかりの好奇心から、私は店員のお姉さんにその花のことを訪ねていました。
その花は「墨州(ボクシュ)」と呼ばれる、まだまだ非常に新しい花で、淡い色の墨で描いたような雌しべの色から、そう呼ばれるようになったということでした。
この花が好きだというお姉さんは、「まだ全然知るられてないけど、この花がもっと沢山の家に飾られるようになればいいな」と夢心地に語ってくれました。
緑の花を暗い夜に静かに逞しく咲かせているこの花を見つめながら、同じような色をした大きな箱のことを私は思い出しました。
「もっと沢山の家で使われるようになればいいですね。」
花を一本だけ買って、私は家に帰りました。
今は、大きな箱の横に、その花は飾られています。





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